
秋田に住む読書ブロガーのHachiです
あきたレビュー大賞に応募してみましたが落選という結果でした
来年も挑戦したいと思っているので、感想をコメント欄でいただけると嬉しいです
「つまらない」「読みづらい」なんでも結構です
サンドバッグになる覚悟、スルーされる覚悟、どちらもできています…
よろしくお願いします
書評題名「砂漠の方程式」
テレビで流れているアニメを見ながら、小学6年生の息子がつぶやいた。
「コドクソウってことか」
その言葉に聞き覚えがある私は、なにが映っているのか気になり画面に目をやった。どうやら擬人化されたバッタが登場し、物語が進んでいくようだ。活発な男の子が緑色で描かれおり、彼の友人は茶色で描かれている。それを見た息子が「孤独相ってことか」と言ったのだとわかり、『バッタを倒しにアフリカへ』の内容を共有する私たち親子の関係に小さな幸せを感じた。
孤独相とは、周囲の環境に影響を受けた体色を持つバッタのことだ。植物が多い場所では緑色になり、少なければ茶色になる。そして孤独相になるには低密度の空間で育たなければならない。逆に高密度下で発育した場合は群生相となる。群生相は黒い悪魔とも呼ばれる凶暴形態のバッタであるが、これ以上は実際に本を読むことを勧めたい。
いずれにしても緑色と茶色で描き分けられたバッタのキャラクターを見た息子は、のびのびと暮らせる場所で成長したのかな?と彼らの生い立ちを想像したようだ。仮説の正否は別として、深い洞察力を持てたのはこの本に出会えたおかげだ。それは専門用語を知ることができたから、という意味ではない。著者の前野ウルド浩太郎さんに、たくさんの人に本を楽しんでもらいたい!という気持ちがあるからだと感じている。ちなみに虫が苦手な人たち向けに、電子書籍限定だが【虫画像抜き版】もある。
理系の研究者をイメージする時、東野圭吾氏の小説に登場する物理学者のような融通のきかない人物を思い浮かべる人も多いだろう。しかし前野さんは違う。本の表紙からわかるようにイケメンで少し変わっている点は共通しているが、野外調査の経験をもとにした臨機応変さがある。それでいて本人がおっしゃるように研究者特有の繊細さもあわせ持っている。そんなユニークなバッタ博士が書いた文章は実に面白い。思わず声に出して笑ってしまう場面もある。
この本を読んでいると、著者自身が漫画を含む多くの図書に触れてきたのがわかる。読書で得た知識をいかし、独自の角度で目の前で起きていることを分析する。これは全ての人が簡単にまねでき、日々の生活が楽しくなる生き方だ。私も、サハラ砂漠という過酷な環境で研究される姿から学んだ方程式がある。それは夢=希望。自分と向き合い、好きなものを追い続けることでしか得られない結果があると前野さんが証明してくれた。



コメント
挑戦すべく応募したことに拍手です。本好きのHachiさんの思いが表現されておりましたね。是非応募を継続してください。受賞者が毎年重なることは、ほぼないと思いますし。(ちなみに今回受賞者の富樫由美子さんは、短歌をやってる方です)
それにしても「書評」というのは難しいですね。単なる「エッセー」や「感想文」でもないですし、その本を「読んでみたいな」と思わせなければいけませんし…。
私は、「思い・問題・疑問」等々を「自分の生活」に引き寄せて記しているか、が重要なのではないかと思いました。それが、その人の「オリジナリティ」となるのではないかと。それから、記してみた後で音読してみてください。文章に心地よいリズムがあるというのも重要な要素の一つです。お好きな名文を口遊んでみてください。皆作者独自のリズムがあると思いませんか。(言語を用いる芸能に共通することですが)
あと、老婆心ながらですが「各段落の書き出しの一字はあける」等々諸々、原稿用紙の使い方についても再確認してみてはいかがでしょうか。昔と違ってきていることもあるようですから。
では、今後も応援しております!
暁亭さんぽ 様
いつも応援のコメントありがとうございます。
原稿用紙の使い方から学び直して再挑戦します!
冨樫由美子さんはSNSもやってらして、数時間であの審査員の皆さんが絶賛された書評を書かれたような投稿をされていました。
一カ月もかかった私とはレベルが違いすぎて、漫画あかね噺で可楽杯の時に阿良川一生が主人公に言ったセリフを思い出してしまいました。